UK P&Iクラブ理事会は、ベルリンで開催され、一連の実りある会議を終えた後、2025年2月10日に開催されたメンバー委員会をもって終了しました。
財務状況のご報告
国際グループ加盟クラブの間で業界の大型クレームをシェアするためのプールは、2024保険年度に非常に活発となりました。2024年度のプールコストは、年度開始からわずか11か月にもかかわらず、すでに過去2年間の合計を上回っています。15件のクレームがプールに報告されましたが、うち1件は当クラブが通知したものでした。プールクレームの増加により、プールコストは過去最高額となる可能性があります。
当クラブ自身の相互保険加入に基づく既発生クレームはほぼ予想通りに推移していますが、下半期には高額クレームが増加しています。今年度、当クラブの加入メンバーに関わる大規模な事故の中にはコンテナ船火災に関連するものもあり、理事会はコンテナ火災のリスクと影響を軽減するためのクラブの取り組みに関する報告を受けました。
過年度のクレームに関する状況は引き続き予想より良好であり、心強いことに、当クラブの固定保険料加入から生じたクレームコストも好調でした。
全体として、高額クレームとプール費用の増加により、年度末のコンバインド・レシオは収支均衡点を上回る可能性があります。しかし、11か月が経過した現時点で、運用利回りは6%と予想を上回っており、今年度末の自由準備金は増額が見込まれています。
保険契約の更新
すでに大半のメンバーの皆様には、保険契約を更新いただき、理事会はメンバーおよびブローカーの皆様の変わらぬご支援に感謝いたしております。当クラブは、2024保険年度中に多くの新規加入船を獲得することができ、2025保険年度には市場シェアの拡大を発表できる見込みです。
当クラブは持続的にバランスのとれた保険引受の実現に重点を置いており、今回の契約更新はこの目標達成に向けたもう一つの重要なステップとなりました。更新プロセスにおいては、メンバー間における公平性の確保も重視し、クレーム費用に応じた大幅な保険料率の引き上げが必要であったところ、一部メンバーの流出は避けられませんでした。
また、理事会は国際グループとクラブ独自の再保険プログラムの更新についても検討し、いずれも無事に更新されております。国際グループの再保険契約更新の詳細はこちらをご覧ください
持続可能性
理事会は、潜在的な新燃料と既存の責任制度との相互作用、また、この分野での継続的な取り組みについて議論しました。間もなく発表される予定である当クラブの第2回サステナビリティ・レポートについても協議を行いました。この報告書には、持続可能な海運の促進、乗組員に関わる課題の解決、二酸化炭素排出量の削減のために当クラブが行っている様々な取り組みが詳細に記載されます。
決議
理事会は、P&I戦争危険特別担保の提供、生化学兵器等危険の追加担保、および油濁危険のてん補限度額を決定するための決議を行いました。この3つの決議の詳細は回覧05/25に記載されています。また、理事会は、2025年1月21日にロンドンで開催し、次年度のクラブルールを採択した特別総会に関する報告も受けました。ルール改定の詳細については回覧17/24をご覧ください。