2/21 MARCH 2021
アウトライン
- 国際P&Iグループ承認の電子商取引システムに、2021年3月24日付で新たにTradeLens eBLが追加されました。
- MaerskとIBMが共同開発した、ブロックチェーン技術を活用したデジタル・サプライチェーン・システムが、船荷証券の発行、譲渡、回収のプロセスを提供します。
- 貨物の運送に関連したその他のてん補除外規定は、紙の船荷証券と同様、承認された全ての電子商取引システムに対して適用されます。
メンバー各位、
電子商取引(ペーパーレス・トレーディング)
Electronic Shipping Solutions, Bolero International Ltd, E-Title Authority Pte Ltd, GlobalShare S.A. (edoxOnline platform), CargoX, WAVE (WAVE Application) および TradeLens (TradeLens eBL)
本クラブ回覧は、国際P&Iグループ(以下グループ)のP&IクラブがTradeLens eBLを承認したことをお知らせするものです。
2020年2月の回覧3/20でご報告したとおり、グループ加盟クラブのルールでは2010年2月まで、電子商取引システムの下で行われた貨物輸送に関して生じた責任については、譲渡可能な紙の船荷証券を使用していれば生じなかったと考えられる限り、てん補の対象から除外していました。
2010年2月20日以降、電子商取引システムによる貨物の運送に関して発生した責任は、その電子商取引システムをグループが承認していた場合のみ、てん補の対象となっています。グループはこれまでに、Electronic Shipping Solutions(現在のessdocs)、Bolero International Ltd(具体的には同社the Rulebook/Operating procedures September 1999)、E-Title、edoxOnline、Cargo X、WAVEが運営する各システムを承認してきましたが、2021年3月24日付で、新たにTradeLensが承認されましたのでお知らせします。
TradeLensは、MaerskとIBMが共同開発した、ブロックチェーンを活用したデジタル・サプライチェーン・システムです。このシステムは、船荷証券の発行、譲渡、回収のプロセスを提供しています。TradeLens eBLは、ブロックチェーン技術によって構造化文書として、運送人から荷送人にデジタルで発行されます。発行されたeBLは記録され、その識別子がTradeLensのブロックチェーンに保存されます。荷送人は発行されたeBLをプラットフォーム上で確認し、準備が整い次第すぐに譲渡することが可能です。コンテナ貨物の引き渡し準備が整うと、荷受人は運送人にeBLをデジタルで提示するか、あるいは必要であれば運送人の協力を得た上で紙の船荷証券に戻し、貨物を引き取ることができます。詳細については、TradeLensのウェブサイト(https://www.tradelens.com/marketplace/tradelens-ebl)をご覧ください。
TradeLendsの使用に関する法的文書や使用条件は2021年2月24日付のTradeLens eBL Rulebook and Service Description に規定されています。この文書についてはグループが検証し承認しています。
貨物の運送に関連したその他てん補除外規定は、紙の船荷証券と同様、承認された全ての電子商取引システムに対して適用されます。これらの除外規定には、運送契約に定められた港または場所以外での貨物の荷揚げや、事前または後付けの日付での電子文書/記録の発行/作成、譲渡可能な電子文書/記録の提示なしでの積荷の引き渡しが含まれます。承認された電子商取引システムの場合には、その取引システムの規則に準拠していない積荷の引き渡しを意味します。
グループとしては、電子商取引システムを使用しているメンバーの皆様に、システムの運用に関する法的、実務的な利点や問題点についてクラブにお知らせいただけると、これらシステムを監視するうえで役立つことと思います。
国際グループのすべてのクラブは同様の回覧を発行しています。
以上
UKP&Iクラブ 日本支店