Crew Health Advice：デング熱
デング熱とは
デングウイルスに感染した蚊によって媒介されるウイルス感染症であるデング熱は、世界的に公衆衛生上の重大な懸念となっています。過去20年間で発症率は飛躍的に上昇し、流行地域と新たな地域の両方で広く蔓延しています。本稿では、デング熱の主な側面、感染、症状、予防策について説明しています。
世界的な状況
- 発生率の増加: デング熱の感染者は過去20年間で世界的に急増しています。
- 想定外の蔓延: 以前はデング熱の流行していなかった地域でもデング熱患者が報告されるようになりました。
- 直近の統計: 2024年の最初の4ヶ月間で、500万人以上の感染者と2,000人の死亡者が世界中で報告されました。
- 感染が確認された地域: アジア、中南米、カリブ海諸国、ヨーロッパ（蚊が発生しやすい環境のため）
デング熱への理解
- ウイルス感染: デング熱は4種類のウイルスによって引き起こされます。
- 蚊の媒介: ウイルスを媒介するのはネッタイシマカとヒトスジシマカです。
- 昼間の時間帯に刺される: これらの蚊は、早朝から夕方にかけて活動します。
- 生息域: 停滞水(井戸、貯水タンク、廃棄された容器など)に隣接する、温暖かつ湿度の高い環境で繁殖します。
- 気候変動の影響: 気温の上昇と異常気象が、感染拡大の一因となっています。
その他要因
- エルニーニョ現象: 2023年のエルニーニョ現象がデング熱の発生に影響を与えました。
- 新型コロナウイルスパンデミック: 脆弱な医療制度と感染症にかかる調査の遅れが状況を悪化させました。
- 世界的なリスク評価: 世界保健機関(WHO)は、現在の感染症リスクは高いとしています。
症状と管理
- 発症のケース: 発症するのは4人に1人です。
- 軽度の症状: デング熱は通常、インフルエンザのような症状を伴う軽度な感染症として発症します。
- 発症期間: 症状は感染後5～8日目に現れ、通常は1週間以内に消失します。
- 重症例: まれに(5％)重症のデング熱を発症することがあり、死亡率は5％(治療を受けた場合)または15％(未治療の場合)です。
デング熱の症状について
- 高熱、震え
- 激しい頭痛
- 目の奥の痛み
- 筋肉痛と関節痛
- 吐き気または嘔吐
- 広範囲の赤い発疹
- 腹痛と食欲不振
予防策
1. 蚊の駆除
- 繁殖場所の排除: 蚊の繁殖源となる停滞水を定期的にチェックし、取り除きます。(コンテナ、古タイヤ、貯水タンクなど)
- 虫よけ剤の使用: ディートまたはピカリジンを含む虫よけ剤を肌の露出部に塗布します。
- 防護服: 肌の露出を最小限にするため、長袖、長ズボン、靴下を着用します。
- 蚊帳: 夜間に蚊に刺されないよう、殺虫成分を含む蚊帳を使用します。
2. 環境にかかる注意点
- 気候変動の影響: 気温の上昇に伴い、蚊の生息域が拡大します。特に温暖で湿度の高い環境では注意が必要です。
- 異常気象: デング熱の流行は大雨や洪水によって悪化することがあります。（蚊の繁殖場所が増えるため）
3. 水分補給と休養
- 水分摂取: 脱水症状を防ぐため、水分を十分に摂取します。特に水道水の水質の安全が不確かな地域では、ボトル入りの水を選択します。
- 休養: 身体を回復させます。デング熱の症状は辛いものですが、早く回復するためには休養が必要不可欠です。
4. 治療薬
- ワクチンなし: デング熱に特化したワクチンは存在しません。
- アスピリン/イブプロフェンを避ける: デング熱患者がこれらを摂取すると、出血を引き起こす可能性があります。
早期発見と適切な管理が重要であることを忘れないでください。デング熱の症状が出た場合は、速やかに医療機関を受診してください。ほとんどの場合は自宅で療養が可能ですが、重症の場合は早急な治療が必要です。自分自身と周りの人たちを守るため、常に最新情報を入手し、予防策を講じましょう。
