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Date
24/04/2023

船主責任保険(P&I保険)とその他関連サービスを国際海運業界に提供するUK P&Iクラブは、2023年3月24日、「海難におけるマネジメントの責任」をテーマにセミナーを開催しました。セミナーは東京ポートシティ竹芝(東京都港区)にて、同会場とオンライン配信を併用したハイブリッド形式で行われ、リモート出席者を含め約200名におよぶセミナー参加者を迎えて実施されました。

登壇者は、UK P&Iクラブ管理者であるトーマス・ミラー株式会社の関根博船長(シニア・ロスプリベンション・ダイレクター・ジャパン)、共立インシュアランス・ブローカーズ株式会社の南條晋一郎氏(執行役員・企業営業本部マリン営業部長、東海大学非常勤講師)、そして弁護士法人田中法律事務所の田中庸介弁護士が、それぞれの立場から様々な視点や考察を紹介し、多くの参加者が実務に参考となる講演の数々に耳を傾けました。

 

関根船長は、陸上の管理者や船主などマネジメント側の責任が問われた具体的な事故事例を取り上げつつ、ブリッジ・リソース・マネジメント(BRM)や安全管理システム(SMS)の重要性を強調し、船主と船舶管理会社が行うべき対策について解説しました。 

続いて、南條氏は「海難とマネジメントに関する一考察」と題し、英国海上保険法を取り上げ、保険の発動要件、船主の法的責任の要件、保険関連のリスク評価における着眼点など、それぞれの観点からマネジメントの位置づけを論じました。 

最後に田中弁護士は「書式『SHIPMAN』に関する法的考察」として、実際の「SHIPMAN(標準船舶管理契約書式)と「外航船舶管理契約書」を資料に使い過去の判例を解説、また過去の座礁事故による原油汚染を例に、近年の環境規制や法的規制の動向とマネジメントの責任について論じました。

さらにセミナー後には、同会場にてクラブ・メンバーやブローカー、海運関係者学術者などが一堂に会し、コロナ禍のために久しぶりとなった懇親会にて、互いに再会を祝い、交流を深める機会が設けられました。 セミナー会場の模様は、こちらのビデオをご覧ください。