バンカー条約証書に関するQ&A
Q. バンカー条約(BC)はいつ発効するのか?
A. 2008年11月21日です。
Q. バンカー条約の批准国の数は?
A.2020年7月3日時点で98カ国が条約を批准しています。
批准国リストについては、下記IMOウェブサイトの505‐507ページをご参照ください。
Q. 条約の下で汚染損害の責任当事者は誰か?
A. 船主(登録船主、裸用船者、船舶管理者及びオペレータを含む)
Q. 保障契約証明書(BC証書)が必要な船舶は?
A. 批准国に船籍を置くあるいは批准国の領海に寄港する1000総トン以上のすべての船舶
Q. BCブルーカードとBC証書の違いは何か?
A. BCブルーカードは保険者が発行するもので、条約で求める責任を担保する保険契約の締結を証明するものです。
BC証書は批准国が発行するもので、この保険契約の有効性を証明するものです。
1000総トン以上の船舶は、批准国に船籍を有する場合、あるいは批准国へ航行する場合にはBC証書を船舶に備え置かなければなりません。BCブルーカードがなければ、批准国はBC証書を発行することができません。
Q. 保障契約の有効性を証明するBC証書を取得する必要のあるものは誰か?
A. 登録船主です。
Q. 条約批准国に船籍を持たない船舶もBC証書を取得しなければならないのか?
A. 批准国へ寄港する可能性がある場合は、取得しなければいけません。
Q. 当社の船舶は、条約に批准しているがまだ発効していない国を旗国としている。この場合もBC証書を取得しなければならないのか?
A. はい、本条約は批准した日の3か月後に発効します。そのような旗国が発行した証書は、条約が施行される日まで有効と認識されないリスクがあります。
メンバーの皆様は、上記の3か月間も確実に遵守するために、条約が既に施行されている締約国から証明書を取得することをお勧めします。 そうでない場合、船が拘留または罰金を科せられると、クラブのカバーが損なわれる可能性があります。
Q. 船籍は批准国にありますが、批准国に入港する予定はありません。その場合BC証書を取得する必要がありますか?
A. はい、必要です。
Q. BC証書はどのように申請するのでしょうか?
A. まずBCブルーカードをクラブから取得する必要があります。当該船舶の旗国が批准国である場合には、旗国当局に提出します。また旗国が批准国でない場合は他の批准国あてに申請するときに添付することになります。
Q. 批准国に船籍を持たない船舶に対するBC証書を発行する国はどこでしょうか?
A. バハマ、クック諸島、ジャマイカ、リベリア、マルタ、パラオ、パナマ、英国(マン島を含む)キプロス、ドイツ(所有者がそこにいるか、経済的につながりがある場合)など、条約締約国でない旗国の船舶に対して証書を発行します。クラブ回覧11/08をご参照ください。
Q. BC証書を発行してくれる国のコンタクト先は?
A. 最新の情報は、当クラブの保険引き受け担当窓口にお問合せください。
Q. BC証書とCLC証書の両方が必要となった場合、油濁流出でどちらが使用されるのか?
A. 油タンカーには、この状況が考えられますが、BC証書は、CLCが採用されないような、非常にまれな状況において使用されると思われます。つまり、当該タンカーが空荷で船内に持続性油の残渣油がない場合です。
Q. 条約の下での船主の責任はてん補されるのか?
A. クラブ・ルール及び当該船主の契約内容に基づき、てん補されます。
しかしクラブ回覧6/08及び9/08にあるとおり、テロ行為から生じたクレームについては船舶戦争保険者から回収できることから、メンバーは船舶戦争保険の船主責任特約を契約維持することが必要となります。
Q. なぜ船舶戦争保険の契約をしなければならないのか?また必要とされるその担保限度額はいくらか?
A. クラブはBCブルーカードを発行するにあたり、標準的な船舶戦争保険の船主責任特約について別途必要な限度額まで締結維持することを条件としています。
戦争保険の船主責任特約で必要とされる限度額とは、船舶の適正価額であり、適正価額が1億米ドル以上の場合には1億米ドルを限度とみなします。
Q. BC証書取得のために、いつクラブに問合わせればよいでしょうか?
A. BC証書取得のために、当クラブが発行するブルーカードについては、メンバーおよびブローカーに申請書を説明書とともにお送りしています。メンバーは上記申請書を受領次第、申請していただきます。
Q. BCブルーカードの窓口は誰か?
A. 通常のコンタクト先です。
Q. BCブルーカード及びBC証書を取得するための手順の概要を教えてほしい。
A. 批准国籍船については次の手順で取得できます。
(1)ブルーカード発行申請書に必要事項を記入し、
(2)同申請書を下記へ返信してください。underwriting.ukclub@thomasmiller.com
その際、クラブの保険引受け担当者にもccをお送りください。
(3)クラブは同申請書を受領次第、バンカー条約証書を発給する本船旗国当局宛のブルーカードを電子ファイルにて発行します。当該旗国はこれをもってBC証書を発行します。
旗国当局が電子ファイルを受付けない場合などメンバーのご要望があれば、ハードコピーでブルーカードを発行します。BC証書申請の手続きについては国によって異なりますので本船の旗国当局にお問い合わせください。
A. 批准国以外に船籍を持つ船舶については、次の手順となります。
(1)ブルーカード申請書に必要事項を記入し、
(2)同申請書を下記へ返信してください。underwriting.ukclub@thomasmiller.com
その際、クラブの保険引受け担当者にもccをお送りください。
(3)同申請書および、ブルーカードの送付先となる締約国に関する指示を受領次第、ブルーカード発行の準備をします。バハマ、クック諸島、ジャマイカ、リベリア、マルタ、ノルウェー、パラオ、パナマ、英国(マン島を含む)、キプロス、ドイツ(所有者がそこにいるか、経済的につながりがある場合)を含むいくつかの国は、締約国に登録されていない船舶に証明書を発行します。
Q. 「登録船主の事業主体のある住所」とは登録船主の登録上の事務所とちがうのか?
A. クラブが受けた法的助言では、登録船主がその登録所在地とは別の場所で事業主体を置いている場合を除き、登録事務所の所在地は「事業主体のある住所」として適切であるとしています。よって、メンバーより別途申し出のない限り、登録事務所の所在地をブルーカードに記載いたします。
最終更新 - 2020年8月19日