用船者のリスク: そのリスクとは何か、また、クラブはメンバーをどうプロテクトできるか

貴社の事業形態が、コンテナ船会社、商社、海運プール、プロジェクト・カーゴ・スペシャリスト、または鉱業関係のコングロマリットのいずれであっても、また、貴社の運送契約や業務の内容はどうあれ、用船者としての海上運送に関与する限りは、様々な責任を負うことになります。 当クラブの経験と比類無い水準のサービスで、これらのリスクを費用対効果の高い方法で特定・制御・管理するお手伝いをいたします。

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Alec Kyrle-Pope (AKP)

Charterers Risk Director

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emea

London

10:58 | Thursday, 21 June

用船者・トレーダーとして直面するリスク

潜在的なエクスポージャーは不明ですか? 直面し得るいくつかのリスクを以下に紹介します。

用船中の船舶の損傷が、用船者の貨物に起因して、配船した港において、指定された仕様以外のバンカーに起因して、もしくは、ステべドアによって生じた場合は、用船契約上、用船者の責任となるかもしれません。

たとえ用船者が船舶に積載した貨物の買手、売手もしくは船荷証券の所持人としての責任がなくても、当該船舶を巻き込む環境汚染事故が発生した場合は、用船者は清掃費用もしくは罰金を支払う責任を負わされるかもしれません。

用船者が用船契約上で貨物の積み込みに責任がある場合、または船荷証券を発行した場合、船舶が第三者の貨物に与えた損害に関するクレームが用船者としての貴社に提起されるかもしれません。

オーストラリアや米国を含む多くの法域においては、船舶の貨物とバンカーのどちらか一方、またはその両方に起因して当該船舶が起こした汚染について、用船者の責任を追及しています。

用船中の船舶が損傷、遅延、もしくは差し押さえられた場合、当該船舶が運送業務に従事できないにも拘らず、用船者は用船料を支払わなければならず莫大な損失を被るかもしれません。

船舶のオペレーションには危険が伴います。 用船者がこれらのオペレーションに対して契約上の責任を負う場合、発生した人身事故に関して大型のクレームが発生する可能性があります。

用船者は、船骸と積載貨物を撤去する費用の支払責任を負わされることがあります: 当該貨物と船舶の価値の数倍に及ぶ費用と時間の掛かる作業です。

バンカーは、船舶の運航に伴う唯一最大のコストです。 用船者のバンカーが海難事故によって滅失もしくは損害を被る可能性があります。

共同海損を宣言した、もしくは救助されるべき船舶上の貨物またはバンカーの所有者、もしくは運賃を受領する当事者は、リスクに晒されている自己の財物の価値に比例する分担金を負担しなければなりません。用船者の分担金が船主のそれを上回ることもあります。

UKクラブが用船者とトレーダーをプロテクトした実例

ここでは、最近の実例をいくつか紹介して当クラブが用船者とトレーダーをどのようにしてプロテクトできたのかを見てみましょう。

クラブメンバーのある用船者は、アルゼンチンからエジプトまでトウモロコシを運送するためにスープラマックス・バルク・キャリアーを定期用船しました。荷揚げ港に到着後、現地の荷受人は複数の船倉においてカビ損の発生を申し立て、一部の貨物の引き取りを拒否するとともに、本船を差し押さえました。船主のP&Iクラブが担保を差し入れ、その後、抗弁して、そのカーゴクレームを最終的に解決しました。船主は、その後、インタークラブ・アグリーメント基づいて、用船者に対して回収措置を試みました。とりわけ、貨物が固有の瑕疵により不安定であった状態が一時的もしくは長期間続いたか、あるいは積み込み方法が原因で貨物に水分を混入させた、と主張しました。事故発生時、当クラブによる積極的なケース・ハンドリングが奏功し、船主のクレームを完全に抗弁することができて、同時に、遅延、オフハイヤーおよびその他関連する商売上の損失に関する用船者自身の船主に対するクレームも弁護することに成功しました。

クラブメンバーの用船者であったある鉱業会社は、インドまで石炭を運送するためにパナマックス・バルカーを定期用船しました。荷揚げ港で本船はバースの海底に接触して、船主はその後、当該バースが安全性に欠けると主張し、船体と二重底タンクの損傷と変形に関して損害賠償請求の訴えを起こしました。慎重な事故調査と修理作業の監視を行った後、当クラブは、船主のクレームを60%削減すると同時に、再用船者からこれらの損失額を回収することに成功しました。

クラブメンバーの用船者であったあるエネルギー商社は、定期用船フリートに属するガス・キャリアーに重油を給油しました。本船がこの重油の使用を開始してから5日後、給油されてからは2週間後に、本船の燃料ポンプと主機に問題が発生しました。当クラブは、事故直後に相談を受けたため、用船者の運航部門および選任された専門家とも協力して対応策を策定し、この問題を制御して、運航の遅れを最小限に抑えることに努めました。その後、当該燃料の検査の手配と監視を行い、また、厳しい給油条件でしたが、本船の燃料油の抜き取り作業とこの事故に起因する用船者の損失の回収を支援しました。

11,000TEUのコンテナ船で火災事故が発生しましたが、それはクラブメンバーの用船者が発行した船荷証券に基づき運送されていたコンテナからの出火でした。船主は消防用のタグの出動を要請し、本船は火災で損傷したコンテナを荷揚げできる港に予定外の寄港を強いられました。船主、用船者および当クラブの間で緊密な協働を重ねた結果、共同海損を宣言しないかわりに、火災の原因に関して詳細な調査が完了するまで、当事者は、用船者のコンソーシアム・パートナーからのものを含め、すべてのクレームを共同で管理するという合意がなされました。その後は、クラブの助力により、この用船者は、火災により生じた貨物クレームを抗弁して解決すると同時に、荷送人の貨物の申告上の過失を認める判決を得て、その執行に成功しました。

クラブメンバーの用船者であった燃料商社は、用船中のプロダクトタンカーから顧客にSTSによる貨物移送を実施することになりました。 顧客は、荷受け側の船舶およびSTSに必要な全ての機器を供給することになっていました。 この作業中に、1本のホースが破裂して、貨物の流失と損失が発生しました。 厳格責任として、用船中の本船の船主が貨物流出とその後の清掃作業に関する責任を負うのが通常ですが、ここでは、船主が用船者に対して用船契約上の責任、そして荷受け船の船主に対しては不法行為責任を問い、償還請求措置を取りました。 当クラブが用船者を支援して解決案を作成し、それにより、船主が荷受け船の利益関係者と直接交渉して用船者への一切の責任や費用負担を回避することができました。

クラブメンバーの用船者が定期用船していたアフラマックス・タンカーが、荷揚げ港へ向けて航行中に座礁しました。船主は共同海損(GA)を宣言し、本船を再浮上させるためタグを雇いました。船主から、本船上の用船者のバンカーおよび本航海で取得する運賃に関するGA分担金の担保要請があり、その額は危険に晒されている資産総額の約7%でした。当クラブから担保が正式に差し入れられて、本船が成功裏に再浮上した後、事故原因を究明するため専門家が任命されました。結局、劣悪なメンテナンスが原因で発生した機関故障により本船が座礁したことが判明したため、当クラブは船主のクレームを完全に抗弁し、クラブメンバーの用船者はその控除額さえ支払わずに済みました。

ハンディサイズのばら積み船が貨物を積載して航行中、1つの船倉でプロジェクト貨物を固定するラッシングとダンネージが機能しませんでした。プロジェクト貨物は移動して、その貨物自体と船倉に隣接したバラストタンクが損傷しました。この損傷はすぐには発見されませんでしたが、その後、最初の荷揚港で貨物作業中、本船がバラスト水を取り込む際に船倉の後方で水が溜まっているが確認されました。間もなくして、現地の荷受人が、荷崩れと船倉内の浸水による貨物の損傷と濡れ損クレームを提起しました。 次の揚港でもさらにクレームが出ました。本船の定期用船者でドライバルク・オペレーターであった当クラブ加入の用船者は、船主から、本船の物理的損傷に加えて、これらのカーゴクレームについても通告を受けました。当クラブが支援して用船者は事故原因を慎重に調査し、バラストタンクの修繕工事を監視し、そしてチャーター・チェーン上の再用船者から担保を取り付けました。最初の段階では船主がそれらのカーゴクレームを抗弁していましたが、最終的には、当クラブは、この事故で発生したすべてのクレームを早期解決し、クラブメンバーの損失を回収することができるように取りまとめました。

当クラブ加入の用船者が定期用船していたケープサイズのばら積み船が中国で鉄鉱石の荷揚げ中に、クレーンが倒れてショアグラブが本船のサイドローリングハッチカバーの1つに損傷を与えました。クラブは、事故の起きたターミナル、現地の荷受人、再用船者、ステべドアの保険会社、および本船の船級協会とも広範囲に亘って交渉した結果、荷揚げ作業を継続させました。その後間もなく、近接するヤードで本修理も速やかに手配されるよう支援し、損失時間や離路を限定的なものに留めることができました。

クラブメンバーの精油業者は、特定のグレードの製品を顧客が用船したタンカーへ船積みする責任を負っていました。荷役を開始して間もなく、タンカーのカーゴタンクの1つで爆発事故が発生しました。幸い、汚染や人命損失には至りませんでした。慎重に調査したところ、製油所内のユニットの1つに問題があり、それによって製品の処理が不完全で異常な製品特性を示していたことが判明しました。その結果、精油業者は、その顧客と本船の船主の両者から本件事故の責任を問われました。そこで、当クラブが支援して、精油業者は本船から問題の貨物を除去し、その後の修繕作業を監視できるようになりました。目撃者の証言や技術的アドバイスを得て、長期間の交渉の末、当クラブが支援した精油業者は、船主からのクレームを合理的な水準で解決することができました。

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  • 2023 Charterers T&Cs 1 MB

    2023/02/28

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  • Charterers Liability - The Charterers Guide to Protection and Indemnity Insurance 4 MB

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  • 2022 Charterers T&Cs 538 KB

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    2020/08/20

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