日本メンバーのためのニューズレター "Lookout"
トーマス・ミラーのP&Iチームは、日本のメンバーや海事関係者に影響を与える現在の様々な問題について、P&Iに焦点を当てた記事を“Lookout”というニューズレターで配信しています。これらの記事についての詳細、または、まだ扱われていないトピックを希望される方は、弊社、東京または今治事務所にご連絡いただければ幸いです。
"Lookout"配信ご希望の方は、以下のメールアドレスまでご連絡ください。
安全運航とステークホルダー
2021/11/16
海難が発生すると、責任の所在を問われることになりますが、その対象は当該船舶のステークホルダー(利害関係者)となります。 その責任とは、法的責任または社会的責任であり(またはその両方)、前者はその該当船舶の運航や管理に関し、各法で定められている法規上の責任、すなわち乗組員、船主、船舶管理者、また裸用船者等がこれにあたります。後者はそれ以外の組織であり、近年、海難発生時においては、特に運航者(用船者)の責任に関し議論されることが多くなっています。
走錨と海難
2021/10/11
船舶の運航課程の中で、バース待ち、修理、補油等のために錨泊をする機会は少なくありません。錨泊中には外力、錨の型式と重量、底質、把駐力等いろいろな要素が関わりますが、近年船舶が大型化していくなかで、そのバランスが崩れることが多く、結果として錨泊中に走錨することがあります。
貨物船と漁船の衝突
2021/07/16
わが国近海では、漁船が多く操業しており、その結果貨物船と漁船の衝突は後を絶ちません。今年に入ってからも、次のような痛ましい事故が発生しました。
制限海域における安全航行:事故を回避するための実践的なガイド
2021/07/16
近年、乗組員の継続的な訓練、さまざまなBRMコース、徹底した手順、事故の研究などにもかかわらず、運河、狭い水道、河川などの狭い水路での事故(衝突や座礁)は、頻度も規模も減少していません。本稿の目的は、過度の速力、船の輻輳、パンデミックの圧力など、多くの原因を分析することではありません。目指すのは、船舶の困難な状況を防ぐために、乗組員と陸上職員の両者に対して実践的なアドバイスを与えることです。
閉鎖区画入域の事故
2021/05/12
船内における閉鎖区画での事故は、船舶の運航、管理における長年の大きな課題の一つです。本稿では、船内における閉鎖区画での事故を紹介し、再発防止へどのような対策を取るべきかを検討したいと思います。
FAQ - ホールド準備と洗浄
2021/04/09
ホールド準備はばら積み船運航の中でおそらく最も重要な部分でしょう。もし、それが適切に行われないと、重大なカーゴクレーム、遅延、追加洗浄、検査費用、さらには オフハイヤー紛争に発展し得ます。
ホールドクリーニング: 法的問題
2021/04/09
次の積載貨物のためにカーゴホールドを準備する作業は、入念な計画と実行を伴う重要な作業です。適切な準備を怠ることは、汚染、浸水あるいは数量不足に対するクレーム、更には契約上の紛争に至る可能性があります。関係者は、傭船契約上、カーゴホールドが洗浄度や準備においてどこまで要求されているか正確に理解しておく必要があります。
航海計画策定と堪航性(その2)(Torepo号座礁事件)
2021/03/10
2020年3月、英国控訴裁判所はCMA CGM Libra号の座礁事故に関し、厦門港出港前の航海計画が不備であったとして、座礁時堪航性が無かったという非常に注目すべき判決を言い渡しました。